2009年3月23日月曜日

日本的思考回路 定額給付金

世界中が不況に見舞われる中、各国政府が様々な形で景気浮揚型の財政出動をしている。アメリカでは95%の国民が恩恵を受ける所得税減税、イギリスでもVAT(消費税)減税など。さて、日本ではどうかというと奇妙な名称のものが行われた。名称が奇妙と言うよりは根本的に勘違いしていること。英米では税金は国のものではなく元々は国民のもの。民主国家の一員としてみんなが平等な負担(所得に応じて)を負い、それを国に託して国が国民に代わって国民のための行政サービスとして使うものというのが基本的な考え方。それを返すことは国民自身のお金を返金するという意味合いがある。一方、日本では名称からもわかるが国が国民に”配給”するというあくまでも国民卑下的な印象がある。政治家、官僚の意識が変わるのはいつになることやら。残念ながら彼らが変わらない限りこの基本的な考え方は変わらない。

2009年2月17日火曜日

Where we are now

今回の不況の原因、仕組みを説明したが、今度は現状どの位置にあるかを説明していく。

ポイントは銀行の貸し出し能力。自己資本がないと貸し出しは拡大できないことはわかったと思う。貸し出しの焦げ付きから来る自己資本の目減りを止めるには自己資本を増強、注入する必要がある。方法としては銀行が誰かからお金を借りる、同じものとて株式を発行し株式市場から資金を調達する。問題は、この状況で銀行にお金を貸し出す人は少ないこと(不良債権が増えている最中は銀行の倒産リスクが大きい)、株式を発行するにも株価が半値以下になっていることに加えて株式発行を発表することにより更に株価の下落につながること。

この状況下にて銀行が放置されると自己資金が枯渇し、倒産する可能性が高まる。この切迫した状況から世界各国が銀行に公的資金を注入せざるを得なくなった。第一次の公的資金注入は終わり、これが第二次、三次に至っているところもある。現状いわゆる底なし状態。少なくとも民間ベースの資金が入ってくることが望まれるが”底なし”から"安定”にならない限り難しい。

今回の不況は現状の底なし状況からいくといつ抜け出せるかを予測するのは難しい。先に示した株式市場、円相場を目安とすると株式市場は現状高値から半値の位置にあり、円相場はドル円でみるとここ20年のレンジの80-140円幅の中で90円あたり。これらの回復状況を見ていくことにより、不況が終わりに近づいているかどうかを見る目安となる。最後に、銀行同士がお互いの余剰資金を貸借りを控える傾向はやっともとに戻りつつあるが、個人、企業への貸出へとはつながっていない。

2009年2月16日月曜日

この先どうなるか

この先どうなるかに関しては現状の問題がいかに解決されるかによる。世界恐慌でもわかるが、いつかは必ず元に戻る。ただそれにどれだけ時間がかかるかによるだけ。

それでは今回の問題とは?

一にも二にも銀行。この社会的な位置づけとして信用の創造を行っている組織が1990年代前半から2007年までの長期景気拡大期においてあまりにも安易にお金を貸しすぎた(好循環期)。当ブログ”借金天国”参照。それら銀行がこの不況期にあたり今度は借金回収に回らざるを得ない状況にある(悪循環期)。安易にお金を貸したということは多くの借金が焦げ付いている。回収を進めてもないものは回収できないわけで、それが不良債権となる。焦げ付きがおきるとそれを自己資本で穴埋めしなければならないわけであるが、それをするとするほど自己資本が減少する。自己資本は貸し出しの原資となることから(自己資本比率が決められている)基本的にはこの自己資本が回復、増加しない限り更なる金貸しは出来ない。銀行が貸し出しをしないと自動車などを買えない人々が多く発生する。ここまでは簡単にわかると思う。それでは今回が前代未聞の状況であることの説明。

90年代のバブル経済後、日本の銀行が潰れるという不安が日本中を駆け巡った時期を覚えている人は多いと思う。その時期は日本の銀行同士でさえお互いを信用できず、普段は日々行っていた余剰資金の貸し借りでさえ出来なかった。ましてやその銀行が個人、企業に貸し出すことなどできようがない。海外はジャパンプレミアムといって日本の銀行だけ他国の銀行よりか多くの金利を貸されていた時期であった。さて、今回はこれが世界規模で世界中の銀行で起きた、というとどれだけ深刻な状況か理解がつくと思う。更に状況を悪くしたのはこれが同時期に起きたということ。

原因はわかったと思う。それではこれが解決すれば経済、みんなの生活は元に戻るはずである。ここでいう”元”に戻るいうのは2007年バブル天井時期の状況へ戻ると言うことを示すものではなく、一般的にいう”普通”という意味。銀行の貸付先はほとんどが不動産。ということは不動産の値段が下がっている最中は不良債権が減らない。日本のバブル期をみてもわかると思う。現時点では米銀行が毎四半期ごとに貸し出しの焦げ付きをいまだにWrite downしているのを見るとわかる。この不動産の下落が継続すると銀行は自己資金を使って下落分を補足しなければならない状況が続く。

今回の騒ぎはアメリカが発信元。まずはアメリカでの不動産価格(個人住宅、商業用不動産)の下落が止まることが必要。それには米国株式市場がいい目安となる。ここ最近は世界株安と円高の連動性が高いので円安も1つのいい目安となってくる。

What went wrong 不景気 恐慌

世界中、不景気が毎日の話題となっている。ここで1つ覚えておいてほしいのはこの不景気の前には”長い、長い”景気が続いていたということ。景気があるからこそ、その反対の不景気というものがある。景気というのは”波”いわゆるサイクルがある。いいときは好循環、逆に悪いときは悪循環。例をあげるといいときは株価も上がり、企業も設備投資を増加、失業率は減り、給与は上がりなど、それが消費につながる。今度はその消費がフィードバックして株価が上がり、更に設備投資増加などと同じことが繰り返される。逆になると全くこの反対。ただ、逆のパターンは時間軸という観点から行くと早い。景気の先行指標として重宝される株価から見ると2002-3年で底をつけ、それから約5年かかって天井。そしてこの2002-3年の底のレベルへは1年以内に到達。

もう1つ参考になるのは物事のサイクルというのはいつも行き過ぎがつきもの。私見では今回の景気拡大はバブル。つまり行き過ぎ。先のブログを見ていただければよくわかると思う(借金天国)。その観点から今回の不景気もどこかのポイントで行き過ぎる。すでに現時点でも戦後、もしくは世界恐慌以降との比較において前代未聞のものに発展しつつあるが、各国政府の対応によっては恐慌になる可能性がある。

2008年7月14日月曜日

石油バブル 続編

今回の原油高でもう1つ不可思議なものがある。原油価格の決定方法。

一般的にCommodityというものは均一な商品として取引される。それが定義。つまり、金であれば純度を指定することにより必ず同じものを手に入れることが出来る。これらがCommodityとよばれる。麦、とうもろこしなどの農産物に関しても細部にいたるまで指定することによりCommodityとて取引することが出来る。原油もCommodityとして取引されている。

最も有名なのがNewYorkで取引される原油先物。世界中のニュースがこの値段を報道する。その効果というのはこの値段が世界中の石油価格連動型の商品に影響するということになる。これは絶大なるもの。一方、この原油先物はいったいなんであろうか?WTI先物と呼ばれ、これはWest Texasにて産油される原油に限定してCommodityとなっている。簡単に言うと、長野県原産の高原野菜(キャベツ)の値段を基準に日本中の野菜の値段が決定されているというのと似ている。Sounds stupid?

さて先に述べた”絶大なる効果”をもったWTI原油先物の値段はその絶大さから原油価格が上がる推測する投資家からの資金が流入することになる。ここで世界中のお金が長野原産のキャベツに流入すると言う状況を想像してほしい。どうなるだろうか?長野原産のキャベツには生産限度がある。その生産限度を無視した状況で資金が流入すると、仮に長野原産キャベツがCommodityとして取引されているとすると値段は上がる一方の状況になることは想像に難くない。それが現在の原油高を演出している。すべてのCommodityに共通することは値段形成が正常に行われないものは  subject to market abuse となる。価格は操作され、バブルも簡単に創出することができる。残念ながら世界中がこれにより右往左往されている。

2008年7月7日月曜日

石油バブル

ここ最近の原油高はガソリンスタンドに行くごとに感じていると思う。1年前に比べても原油価格は2倍、90年代半ばに10ドルあたりだったことを考えると15倍近くになっている。この状況をどのように考えるか?

昨年紹介した借金天国に状況は似ている。何事もバブルは付き物。今回もそのバブルの兆候が見え隠れしている。この原油高はOPEC諸国にとっては”棚ボタ”もの。過去の教訓から行くと行き過ぎた原油高は代替エネルギーの開発を加速して将来的に自分たちの首をしめることになることから、需要と供給が合うあたりの値段に持って行きたい意向が感じられるが、なにせ10年前に10ドルで売っていたものが150ドルあたりで売れるようでは、なかなか”本気で”値段を下げる気がしない気持ちはわかる。これは人間心理。ただし、欲が過ぎると(これも人間心理)必ずしっぺ返しがある。

今回の原油高の主因はドル安。原油はドルで取引されることから、ドルの絶対価値が下がるともともと使用価値のある原油は上がることになる。論理的には説明のつく動きであるが、これに全員参加型のお金の動きがくっつくと”バブル”となる。”絶対に儲かる”との信念のもとに大衆のお金が入ってくることがバブルを形成、加速、そしていつか終焉となる。終焉はいつかわからないが、わけのわからない理由の元に原油価格が250ドルまで行くとか、それ以上の値段になるということがニュースになってくると終焉は近い。ただし、最後の1人まで買いにまわり、ほとんど買っていない人間がいなくなるときまでバブルというのは終わらない。

2008年6月20日金曜日

借金天国 その後。。。

昨年、このブログにて”借金天国”を紹介した。

その後どうなっているだろうか?アメリカはその借金天国が反転、ほとんどお金を借りるすべがなくなっているようだ。イギリスも同様。お金を貸すのは銀行の仕事。銀行が借金天国に踊り、好き勝手にお金を貸したことからその反動、しっぺ返しが起きている。実際には何が起きたかというと貸したお金が返ってこない。貸したお金は期日が来るといつもは再度貸し出しの手続きをしていたところが、今度はそれをする余裕がない。実際の経済への影響というのは計り知れない。

誰でもお金が借りれた時代から一転してほとんど借りることが出来ない状況。借りるとしても以前のような低金利ではなく、借入金利がかなり上がっている。たった1年でこれだけの変化が起きていることに驚きを覚える人もいるかもしれないが、逆になぜあれだけ借金天国の状況が続いたのか不思議である。

2007年11月1日木曜日

移民流入 イギリス人流出

移民の問題はすでに大きな社会問題となっている。移民があたえる好影響、悪影響を論じる前に実際の数字から影響を見ることが出来る。

1.英国の刑務所内の外人比率 1対7
2.英国の労働人口に占める外人比率 1対8
3.海外に居住する英国人の比率 1対6

この数字からわかることは犯罪という面においては、全くもって移民は悪影響となっていること。労働を目的に入ってきている人口比率以上に刑務所にお世話になっている数が多いことがそれを示す。それも単に表に出ている数字のみでそうであるということは、実質的には犯罪含めかなりの数に達することになる。この刑務所内の外人比率の多さは、もう1つ重要な影響を与えている。それは、ただでさえ刑務所不足が叫ばれている中、移民からの犯罪者を収容する必要性から凶悪犯を早期に釈放していること。殺人犯として20年の刑を受けた人間が6年で出ているなど。普通に考えても信じがたい実態が浮かび上がる。これが社会に与える影響としてはそれら釈放された凶悪犯が再犯すること。再犯率も高いということが言われている。

つまり、イギリス人にとって見ると英語もたどたどしい人間が以前に比べて格段に多くなっている反面、それら英語がほとんど話せない移民を受け入れる社会基盤ベースが整っていない実態が浮かび上がる。結果としては公共のサービスなどにしわ寄せが来る。いい例は学校など。クラスの半数以上が英語が全くわからない子供たちを相手に今までどおり英語で教師が話しても学校が運営できないなど。その他の自治体サービスもその通り。通訳や、特別の施設を設けるなどが必要となり、その分既存のサービスが低下する。イギリス人にとっては凶悪犯が早期釈放され、自分が受けていた公共サービスが低下し、隣人など近所の顔ぶれが大きく変わってしまうなど、いいことがない。昨日発表された政府統計だと1998年から創造された仕事の半分以上が移民にいっていることがわかった。これもその数字だけを見るとイギリス人の職を奪っているように見える。それは労働人口の8人に1人のはずの比率が、実にここ10年間で半分以上の仕事をとっているから。実際にはイギリス人がやらないような仕事についているケースが多いことから、本来それほど影響はないはずであるが、数字だけ見ると世間の判断はちがってくる。

イギリス人が流出している数字が大きくなってきていることが裏付けられる。6人に1人が既に海外で暮らしているということになっている。これら数字はイギリス全体の統計。ロンドンだけを取り上げるとこれら数字がもっと大きな比率となるに違いない。

2007年10月25日木曜日

イギリスの呼び名

日本では英国はイギリスと決まっている。ところが、実際にイギリスに住んでみるといくつかの呼び方がある。あまり気にしないですごしていると思うが実はそれぞれ使い方に意味がある。

England

これはイギリス国内ではScotland, Wales, Northern Irelandの中の1つとして呼ぶときに使う。ロンドンはこのなかではEnglandの中にある。いわゆる東北地方、関東、関西などのようなもの。イギリスから外に出るとEnglandといってもイギリスを指すことがある。日本で英国を指すときもこのEngland(イギリス)が使用される。

G.B

Great Britainのこと。England, Wales, Scotlandをまとめてこの言い方を使う。つまり、日本で言う本州のようなもの。Northern Irelandは知っての通り違う島。英語でイギリス人のことをBritishというのはここからきている。Northern Irelandはイギリス領土であっても彼らはBritishとは言わない。あくまでもIrishである。

U.K

最後にすべてまとまったものがこの呼び方。United Kingdom。先にあげたEngland, Wales, Scotland, Northern Irelandのすべてをさしてこの言い方を使う。

せっかくイギリスに長期滞在するために来た人はこれらの違いを頭に入れておきましょう。

2007年10月12日金曜日

Hinariって何?

特に観光客がそうであるが異郷の地に来て日本の企業なのどの名前などが広告されているとついつい指を刺して見つけたことを喜んでしまうもの。さて、イギリスに住んでしばらくすると気づくことがある。日本語であるが日本人がやっているものかどうかわからないものが多いこと。

ここであげたHinariというのは電化製品販売店にいくと目に付く。日本語の響きがある。かといって日本のメーカーかというとそうではない。海外では日本の電化製品に対しての信頼が高い。それを”悪用”してマーケティングとして会社の名前を日本語のような名前にして製品を生産する。そのほかMikomiという名前の会社もある。同様のマーケティング戦略。全く日本のメーカーではない。残念ながら日本人を馬鹿にされたような印象を受ける。このほかイギリスにある日本レストラン、すし屋なども実は多くが中国系の人間によって経営されている。長く住むとどれがそれにあたるかわかるようになるのでそこには行かない。日本人が期待するようなものを食べることが出来ない。カツどんといってもカツどんの味がしない。すしといってもひどい握りよう、使っている米が違うなど。イギリス人はそれがわからないので日本食レストランとして行って、時に知り合いの日本人に”おいしかった”などの感想をもらすことがあるが、日本人としてそれを否定していいものかどうか迷うことがある。本人が満足しているわけだから。これも先の日本モドキの電化製品会社と同じ印象を隠せえない。

これもそれも日本のものが海外でメジャーになってきたということの表れかもしれない。Victim of own success ということばが英語であるが、それにあたるのかも。

L と R

題名を見てもピンと来ないかもしれない。ただ、イギリスなど英語圏に住んでいる人は”ああ、LとRね”とわかるかもしれない。

日本人にとって英語を話す段になって全くわからないといわれているのがこのLとRの発音。生まれつき話していないとわからないと言う人もいる。確かにずっと日本に暮らしていたら全くわからないまま一生が終わってしまうかもしれないが、イギリスに暮らしている人はあきらめるのは早い。気をつけて聞いていると会話の中でもじきにわかってくる。1-2ヶ月でわかるとは言わない。2-3年はかかるが”気をつけて”聞いていることが肝心。これに関しては自分の経験上いえる。この気をつけて聞いている時期を過ぎるとLとRが会話の中ではっきりわかる。その間できることとしては何かわからない単語を聞いたときにその中のアルファベットがLかRか明確でないときにはすぐに辞書を引く。辞書は正確なスペルがないとわからないので、Googleなどを活用する。大体のスペリングを打ち込むと間違っているときはその候補を出してくれる。

特にイギリスで留学を始めた人などはあきらめずに取り組んでほしい。卒業するまで問題なく聞けるようになると思う。LとRが違うだけで意味が全く違ったものになるし、逆に自分が話す段になっても全く同じ。時に相手がびっくりするようなことを話しているということに陥ってしまいかねない。努力することによって解決できるのであればその努力をしてみることが解決の第一歩。

2007年8月31日金曜日

アメリカとイギリスの違い 金融危機編

ここ最近市場を騒がしてきたアメリカの住宅ローン問題がきっかけとなった世界中の金融危機。アメリカとイギリスでは対応が”全く”違うので紹介しておきたい。これは文化上の相違、政治のシステムなど根本的な違いがあることを示す。

ポイントは”モラルハザード”といわれるもの。無鉄砲な住宅ローン貸出しを行った金融機関、それを利用して返済能力がないのに住宅を購入した人々、どちらをとってみても常識的には考えられない。ビジネス慣習から言っても考えられない。つまり、自分で勝手に無茶をした人々を救う必要があるかどうかが問題となる。それを救済することを”Bailout”という。救済するのは政府、中央銀行。いずれも国民の税金が元。救ってしまうと何がおきるかというと、将来的にも同じようなことをする人間が出てくることを意味する。救ってもらえることがわかっているのだったら無茶したっていい、という考えを助長する。一方、救わないとどうなるか。学習効果が生まれる。同じ人間は二度と同じ間違いを起こさなくなる。それでは救う、救わない、どちらがいいかというと自ずとわかる。イギリスは昔から確固とした態度を崩したことがない。中央銀行は有名な老舗ベアリング銀行が1人のトレーダーが無茶なトレードをしたことによりつぶれかけた時に一切救済の手を差し伸べなかった。その前にも一切救済の例がない。アメリカはというと1998年に似たような金融危機が起きたとき、そのきっかけとなったLTCMというヘッジファンドを救済した。つまりBailoutした。中央銀行に当たる連銀が直接的に資金を提供したとか、国が救済したということはないが、積極的に債権者に働きかけさらなる資金の注入を促し、Bailoutを影から支えた。この事実から言って実質的には連銀がBailoutしたことになる。

今回の対応を見てもよくわかる。アメリカは大統領まで出てきて住宅ローンの焦げ付きを起こしている人々を救済策を発表。イギリスはというと中央銀行がイギリスの銀行がこのアメリカの住宅ローン関連の負債が元で運転資金不足に陥ったときに”ペナルティー貸出し”を利用できることを明示したのみ。通常の貸出金利より高いペナルティーを払って借りてください、という態度をとる。そのほかは一切なにもおこなっていない。世界のそのほかの国はどうかというと、ドイツは既に問題のある金融機関に資金を注入。ドイツも昔から国が救済の手を差し伸べる傾向がある。

2007年8月10日金曜日

借金天国

ここ最近株式市場などが急落している。意外と知られていないのがその原因。いろいろ取り上げられているが究極的には世界的な”借金天国”が崩れていることによる。

引き金はアメリカの住宅ローン。まったく返済能力のない人間に住宅ローンを貸し付ける。覚えている人は日本のバブルの時期に似ていることがわかる。銀行が競争して不動産ローンを貸し付けた。全くローンのいらない人にまで貸し付けたじきである。結果はどうなるかは常識的に考えてもわかる。その常識的にわかることがおきただけ。実は借金天国はこのアメリカの住宅ローンだけに限らない。例を挙げるとM&Aと呼ばれる企業の買収。これは通常買う側の株式、その資産を利用して行われるのが通常であるが、なにせ借金天国であったことからこれを借金を通じて行っていた。株式市場が下落すると借金にて買い付けた会社の”価値”が急落する。自ずと貸し付けた銀行がその後の貸付を渋る。その他に、有名なアメリカの投資銀行などは従業員に自社の運営するファンドへの参加をインセンティブをもって呼びかけた。そのインセンティブとはただ乗りの借金。100万円分のファンドを更に100万円貸し付けて200万円分買わせた。更に元本保証。多分かなりの従業員がこれに乗ったはず。これも借金天国の時期のみにおきうること。最後の例。世界的な為替の売買ブーム。日本でも外貨預金を通して多くの人がこの為替売買に関係している。一般的な意味での為替売買とは証拠金取引。証拠金取引とは100万円で1億円の取引をすること。つまり9900万円は借金。これも借金天国。みんな円を借りてそのほかの高金利通貨を買っている。しかし、ここで見落としているのはリスク。借金はいつか返済しなければならない。円安が継続的に続いている最中は全くその必要がないが、一時期でも2%程度円高に振れると大変なことになる。何が大変かというと100万円でかりた1億円が9800万円にしかならなくなる。つまり100万円足りなくなってしまう。もともと100万円しかないわけであるから本来であれば1億円など借金するほうが”気が違っている”わけだが、なにせ借金天国、みんなが同じ事をやっているのでついつい手を出してしまったというのが本音であろう。実際に誰も1億円を100万円に対して貸してくれなければそんなことにはもともとなっていないはずである。しばらく続いた円安もここ最近急激な円高に豹変。2週間弱で約6%の円高。昨日からみても7円以上円高(約3%)。借金しているひとたちがみんな売却して返済を強いられている。あまりにも多くの人が同じことを行っていたのでその分だけ円高のスピード、幅は誇張される。

現在起きているのはこの世界的な借金天国の修正。どこまで修正が続くかが問題。既にアメリカの住宅ローン会社はいくつか倒産。ドイツ、フランスなどでも銀行の倒産がうわさされている。

2007年7月28日土曜日

移民について

移民といっても2つある。1つは合法的なもの、2つ目は違法。イギリスでは違法、合法含めて問題になっている。それは確固とした移民政策がなく、国境でのコントロールがないことから。

まずは違法移民。

イギリスではAsylum seekerと、国際色あふれるsocietyのなかに紛れ込むものがある。前者は亡命というが、政治的な亡命ではなくほとんどが経済難民。アフリカなどからのものが多い。このAsylum申込みから決定までの期間は住む場所、小遣い銭などがもらえるので多くの難民がこれを悪用している。チェックのシステムも甘く、同じ人間が何度も偽のパスポート、偽名を使っているのがBBCのドキュメンタリーで放映されたりした。後者は中国人、EUに参加していない東欧諸国、アフリカなどからイギリスに入り込むトラックの中に紛れ込んで入ってくる。いずれにせよこの数をめぐって論議が重ねられるが誰も正確な数字はつかめていない。これもボーダーコントロールがまったく利いていないことから。

ここ最近フォーカスの中心は合法移民。これは新たにEUに参加した東欧諸国からの人たち。EUは基本的にどこに住んでもいい。ただし国が当初ある程度の制限をかけることが出来る。ただし10年間かけてそれをすべて撤廃することが必要。フランスなどは東欧諸国がEUに参加したときにこの制限条項を設けたが、イギリスは全く設けなかった。そして唯一の英語国、かつさまざまな人種が既に交じり合っている国であることもあいまってこれらの国からの移民が殺到。ポーランドからは2百万ともいえる数が入り込んできている。政府発表の統計では20万人らしい。問題は彼らが集まってくる場所。一挙にそれだけの数の人間が入ってくると学校、地方自治体などが対応に困惑する。学校にはまったく英語の話せない子供たちがある時期に一挙に押し寄せる。その他公共のサービスを提供する側にも同じ。さらに状況を悪くしたのは今年頭にEU入りしてきたブルガリアやルーマニア。ここからの”難民”のような人たちも殺到している。だいたいが国際色溢れるロンドン近郊に住み着いている。

2007年7月19日木曜日

イギリス変り話

意外と知られていないことにイギリスには二重国籍を持つ人間が多い。二重国籍といってもパスポートを2つ持っていることである。

日本ではこの二重国籍を認めていないので仮に日本人がイギリス国籍を取得したときには日本の国籍を捨てることになる。”国籍”という言葉を使用しているので何か大変なことのような響きがあるかもしれないが、実際には便宜上の市民権取得という点から多くの人がイギリスのパスポートを取得している。イギリスに住んでいながらイギリスのパスポートがないと、外に旅行するごとに通関で質問される。永住ビザをもっていてもそうである。空港でも日本の観光客が並ぶ列の中に並んで全く同じ扱い。イギリスパスポート保有者は別のラインから質問なしでどんどん入国処理される。この煩わしさからイギリスのパスポート(国籍)をとっている人がほとんど。多いのは中東、ロシアなど旅行上さまざまな制限のある国々の人。日本のパスポートは先進国どこでもビザ協定を結んでいて3ヶ月は問題なく滞在できるが、それ以外のパスポート保有者はいまだに旅行ビザ取得が必要であったり面倒なことが多い。そのほかイギリスパスポートがないと市民権が認められず、イギリスに何十年も住んでいてもまったく参政権が認められない。政治は自分の生活に深くかかわってくる。そのときの政権によって税、法などが自分に有利、不利になったりする。それに対して参政権が認められていないというのはなんといってもむなしい。

さてここ最近イギリスとロシアで外交上の小競り合いが続いている。それもこの二重国籍に関係があるのである。今年ロシアの前KGBスパイがロンドンで暗殺された。暗殺に使われたのは放射線物質。聞いただけでも恐ろしい。調査の結果、犯人はロシアのこれもまた前KGBスパイと判明。ロシア人がスパイ同士の殺し合いであれば、外交上はさして問題はなかったかもしれない。ところがこの暗殺されたスパイが二重国籍保有者となると事は別。つまり、イギリス人扱いとなる。これもおかしいところだが、どう考えても彼はイギリス人じゃない。イギリスに在住している期間も短ければ、イギリスとの関連性も薄い。イギリスは過去に結構簡単にイギリス国籍を取得できた。イギリスとの由縁などなしにイギリス国籍の安売りはここにあるように奇怪な状況に発展しえる。最近不法入国者が多く、ビザのシステムなども見直しがなされているが、このイギリス国籍取得のシステムも大きく変わってくるのも時間の問題。

最後に国家安全保障上の問題。イギリスパスポート保有者といいながら、実質イギリス人ではない人たちがイギリスパスポートをもって他国を自由に旅行できる。実質的なアイデンティティーを隠して他国に渡ることが出来る。特にアメリカなどにとっては脅威。テロリストの国々のバックグランドをもった”イギリス人”が多く、最近アメリカではイギリス人への旅行ビザを再開する動きがある。

2007年7月11日水曜日

Fools market

世の中には”そんなバカな!”ということがある。その中のひとつが現在の円安。実際に円を元にして海外で暮らしている人が最もhard hitされている。

以前に中国のバブルに関して記述したことがある。その記事を出してから中国の株価が1000ポイント下落した(4300⇒3300まで約1/4)。そのときのBlogも見てほしい。さて、経験則からいって主婦が野菜の値段の変わりに株価の話をするようになったときがバブルの疑いが高い。ここ最近の円安で似たような状況が目に映るようになってきた。アメリカのハイテクバブルの時に似ている。その当時アナリストが株価の高さを正当化する指標が一切なくなってしまい(PERなど)、さまざまな指標が”発明”された。後から見るとこれが間違いの元。アナリストが迷走状態になった証拠である。この円安で最近目にする、耳にするようになったことは為替のアナリストが”現在の円安は日本の主婦、おじいちゃん、おばあちゃん貯金の行方次第”というコメントを出すようになってきたこと。購買力平価からいっても既にポイントを超えているし、かといってそれを越えたところでこの円安が止まるかどうかが全くわからないことからこのようなコメントになっている。つまり、日本の主婦が外貨預金買い、外貨投信買いをやめない限りこの円安がいつピークになるか全くわからないのである。アナリストもお手上げ状態。いくら冷静に考えてもおかしいことでも続くことがある。それが現在の円安の状況。

2007年6月28日木曜日

プライバシーの考え方

プライバシーに対しての考え方、認識は各国で大きな違いがある。



イギリスはプライバシーに関しては各自の基本的な権利としての認識があり、それに反する取り扱いには激しい反発がある。なにせ、この国では身分証明書を持ち歩く必要もなく、提示を求められても拒否できる。実際には身分証明書として使えるものがないこともある。政府が911のあとに身分証明書の導入を計画したが、ことごとく反対にあっていまだに導入されていない。これに関しては個人の自由Civil libertyへの考え方の違いが影響している。一方、アメリカはどうかというと、はっきり言ってプライバシーのカケラも感じられない。Social security numberという背番号をつけられ、この番号に各自の本来プライベートな情報がくっついている。銀行で口座を開くにも、時に買い物をするにも聞かれる。アメリカで生活している人も特別意識もなく、Social security numberを聞かれるとそれに対して疑問もなく答えているのであろう。銀行などを利用するときに本人確認としてよく聞かれる。

911後に発効されたテロ関連法もアメリカとイギリスでは対照的である。アメリカはその法律を”Patriot act”という呼び名をつけた。つまり、それに反対することは愛国的ではない、という反感を買う可能性がある。反対しにくいような呼び名の法律を作り、ここで取り上げている個人のプライバシーの侵害を合法的なものとした。イギリスでも同様の法律が出来たが呼び名はその通り”anti-terrorism law"。個人のプライバシー、自由の侵害に関してかなりの論議が重ねられた。結果、アメリカに比べてかなり後になってから発効する。そして、一部時限立法となるなど、かなりの制限が課せられた。

民主主義を掲げる国々も曲がり角に差し掛かっている。これまで当たり前として憲法上保証されていた”自由”も実質的に制限がかかるようになってきている。裁判の基本となる”疑わしきは罰せず”も先にあげた法律制定により、実際に犯罪が行われる前、立証される前に罰せられることになる。テロというのは人の心に住み着くもので、その点難しい面がある。しかし、実際に確率という面から自分がそのテロに巻き込まれる可能性を考えると交通事故にあうより低い。そのために自分がどれだけの自由を犠牲にしているかよく考えてみる必要がある。

2007年6月8日金曜日

海外移住 年金編

まだ働き盛りで海外移住を考えているときは年金も頭に入れておく必要がある。引退した後の年金がどうなるかを現時点で把握しておかないとそのときになってからでは遅い、ということがありえる。

日本は違うがかつての植民地で暮らすイギリス人には大きな年金問題がある。年金受給は海外でも出来ることになっているが、その年金受給額が本人がイギリスを出たときのレベルで凍結されてしまう。つまり、1960年にイギリスを出た人は、その後カナダなどのかつての植民地で年金受給を始まっても1960年レベルの年金しか手に入らないということ。仮に1960年の月当たりの年金支給額が100ポンドとすると2007年の現時点で年金として受け取れるのも100ポンド、ということ。これが同じひとでイギリスにずっと住んでいたとすると毎年のインフレ分だけ2007年まで調整された額、500ポンドなどの年金支給ということになる。これは冗談ではなく本当にある話。ひとつの余談としてあげるが知らなかったでは済まない。

海外に出る前に自分が日本の年金分として払い込んだ分のほか、今度海外で働いた際に払い込む年金分もいつ、どれだけ支給されるのか、その受給資格がどのような形で生まれるのかを確認する必要がある。海外で就職先が決まったからといって大喜びでいっても、思わぬ誤算が生まれることもある。年金というのは現時点でもらっている給与から支払われる。そしてそれが将来的に自分が引退の年代に入ったときに支給されることになるもの。本来、自分の就職先の給与と合わせて現在価値ベースに直し、かつそのときはその国の税制までも勘案した上で計算したいものである。

日本からの資金逃避

資金逃避というのは実際に国境を越えるものと越えないものがある。国境を越えるとその後の資金の動きは日本に戻ってこない限り日本当局のレーダーからは消える。国境を越えないものの典型は外貨預金。外貨預金は日本の銀行内で円になったりドルになったりするがその中からは出ない。

ここ最近日本から国境を越えるタイプの資金逃避が続いていると聞く。典型はオフショアでの銀行口座開設に伴うもの。その銀行口座開設をすることによってその口座を元にクレジットカードが使える、日本でお金が引き出せるなどの便利性を伴い人気が高いものだとおもう。一般の人は国境を越えてオフショアなどで開設した銀行口座の資金総額が1億円を越えない限り、外為法上の申告義務がない。しかし、日本の税法上の申告義務が免れることと勘違いしている人が多い。税法上は日本に住んでいる限り海外どこから発生した所得に関しては報告義務がある。ところが、実際問題いったん外為法上で申告義務のない国境を越えてしまった資金は日本に戻ってこない限りわからないため、たとえばその金利、キャピタルゲインなどを税申告している人は皆無状態。かといって、その資金を使えないかというと先に示したようにクレジットカード、それを元に日本でATM引き出しが出来るので”実質的に”国内に資金を戻しているのだが、その戻ってくるルートが出て行ったときと違うため”見えない”。このようなシステムをLoopholeという。つまり、逃げ口と訳すことがある。Loopholeはいつか閉じられる。それまでこれらオフショアへの資金逃避は続くことになる。

為替屋HPが日本語で書かれているせいか、日本からこれら資金逃避型の円⇒ポンドの問合せが絶たないが、為替屋はイギリス在住の日本人向けのサービスであり、イギリス在住者に利用を限定している。しかし、今後も問合せは続くことだろう。

海外暮らしの手引き 健康編

海外で暮らすことになるとまずは健康面の体制をしっかりしておくことが必要。これは体を鍛えるということではなく、病気になったときへの準備ということ。

たとえば長期で海外に来る前に日本で海外医療保険に入っておく。ただし、持病や2回目の治療(怪我以外)などはそれも持病として保険ではまかなわれない。この点は気をつける必要あり。イギリスを例に取ると基本的に医療はタダであるが、これには穴がある。タダには理由があるということ。重大な病気になろうと待ちリストがあり、癌であろうがなんであろうが自分の順番が来ないと医者に会うことが出来ない。中には途中で死亡する人も多い。かといってプライベート医療というと高額であると同時に、場合によっては1ヶ月近く待つことになる。緊急性があるものは医者が会ってくれるケースもあるが、国民医療が基本的にタダであることから、医者が病院に常駐していない。医療コンサルタントとしてその病院を利用させてもらっているのが実情。したがって、あそのこの病院にいくとこの医者がいるということは必ずしもない。プライベートで有名なロンドン街中のHarley streetというところも、これら医療コンサルタントがオフィスを借りて集まっているだけ。ほとんどが医療施設というのがない。つまりCTスキャンとかがその場所にない。必要時には医者からこれこれの場所に行って検査をして帰ってきてください、といわれる。死にそうなときにはそんな余裕はない。したがって、イギリスに来るには覚悟がいることを言っておく。アメリカはどうかというとすべて一部を抜かしてすべてプライベート。これもかなり高額。保険もそれなりに高い。それを頭に入れたほうがいい。カナダはイギリス型の無料医療であるがこれも待ちリストがある。