2007年8月10日金曜日

借金天国

ここ最近株式市場などが急落している。意外と知られていないのがその原因。いろいろ取り上げられているが究極的には世界的な”借金天国”が崩れていることによる。

引き金はアメリカの住宅ローン。まったく返済能力のない人間に住宅ローンを貸し付ける。覚えている人は日本のバブルの時期に似ていることがわかる。銀行が競争して不動産ローンを貸し付けた。全くローンのいらない人にまで貸し付けたじきである。結果はどうなるかは常識的に考えてもわかる。その常識的にわかることがおきただけ。実は借金天国はこのアメリカの住宅ローンだけに限らない。例を挙げるとM&Aと呼ばれる企業の買収。これは通常買う側の株式、その資産を利用して行われるのが通常であるが、なにせ借金天国であったことからこれを借金を通じて行っていた。株式市場が下落すると借金にて買い付けた会社の”価値”が急落する。自ずと貸し付けた銀行がその後の貸付を渋る。その他に、有名なアメリカの投資銀行などは従業員に自社の運営するファンドへの参加をインセンティブをもって呼びかけた。そのインセンティブとはただ乗りの借金。100万円分のファンドを更に100万円貸し付けて200万円分買わせた。更に元本保証。多分かなりの従業員がこれに乗ったはず。これも借金天国の時期のみにおきうること。最後の例。世界的な為替の売買ブーム。日本でも外貨預金を通して多くの人がこの為替売買に関係している。一般的な意味での為替売買とは証拠金取引。証拠金取引とは100万円で1億円の取引をすること。つまり9900万円は借金。これも借金天国。みんな円を借りてそのほかの高金利通貨を買っている。しかし、ここで見落としているのはリスク。借金はいつか返済しなければならない。円安が継続的に続いている最中は全くその必要がないが、一時期でも2%程度円高に振れると大変なことになる。何が大変かというと100万円でかりた1億円が9800万円にしかならなくなる。つまり100万円足りなくなってしまう。もともと100万円しかないわけであるから本来であれば1億円など借金するほうが”気が違っている”わけだが、なにせ借金天国、みんなが同じ事をやっているのでついつい手を出してしまったというのが本音であろう。実際に誰も1億円を100万円に対して貸してくれなければそんなことにはもともとなっていないはずである。しばらく続いた円安もここ最近急激な円高に豹変。2週間弱で約6%の円高。昨日からみても7円以上円高(約3%)。借金しているひとたちがみんな売却して返済を強いられている。あまりにも多くの人が同じことを行っていたのでその分だけ円高のスピード、幅は誇張される。

現在起きているのはこの世界的な借金天国の修正。どこまで修正が続くかが問題。既にアメリカの住宅ローン会社はいくつか倒産。ドイツ、フランスなどでも銀行の倒産がうわさされている。

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