2008年7月14日月曜日

石油バブル 続編

今回の原油高でもう1つ不可思議なものがある。原油価格の決定方法。

一般的にCommodityというものは均一な商品として取引される。それが定義。つまり、金であれば純度を指定することにより必ず同じものを手に入れることが出来る。これらがCommodityとよばれる。麦、とうもろこしなどの農産物に関しても細部にいたるまで指定することによりCommodityとて取引することが出来る。原油もCommodityとして取引されている。

最も有名なのがNewYorkで取引される原油先物。世界中のニュースがこの値段を報道する。その効果というのはこの値段が世界中の石油価格連動型の商品に影響するということになる。これは絶大なるもの。一方、この原油先物はいったいなんであろうか?WTI先物と呼ばれ、これはWest Texasにて産油される原油に限定してCommodityとなっている。簡単に言うと、長野県原産の高原野菜(キャベツ)の値段を基準に日本中の野菜の値段が決定されているというのと似ている。Sounds stupid?

さて先に述べた”絶大なる効果”をもったWTI原油先物の値段はその絶大さから原油価格が上がる推測する投資家からの資金が流入することになる。ここで世界中のお金が長野原産のキャベツに流入すると言う状況を想像してほしい。どうなるだろうか?長野原産のキャベツには生産限度がある。その生産限度を無視した状況で資金が流入すると、仮に長野原産キャベツがCommodityとして取引されているとすると値段は上がる一方の状況になることは想像に難くない。それが現在の原油高を演出している。すべてのCommodityに共通することは値段形成が正常に行われないものは  subject to market abuse となる。価格は操作され、バブルも簡単に創出することができる。残念ながら世界中がこれにより右往左往されている。

2008年7月7日月曜日

石油バブル

ここ最近の原油高はガソリンスタンドに行くごとに感じていると思う。1年前に比べても原油価格は2倍、90年代半ばに10ドルあたりだったことを考えると15倍近くになっている。この状況をどのように考えるか?

昨年紹介した借金天国に状況は似ている。何事もバブルは付き物。今回もそのバブルの兆候が見え隠れしている。この原油高はOPEC諸国にとっては”棚ボタ”もの。過去の教訓から行くと行き過ぎた原油高は代替エネルギーの開発を加速して将来的に自分たちの首をしめることになることから、需要と供給が合うあたりの値段に持って行きたい意向が感じられるが、なにせ10年前に10ドルで売っていたものが150ドルあたりで売れるようでは、なかなか”本気で”値段を下げる気がしない気持ちはわかる。これは人間心理。ただし、欲が過ぎると(これも人間心理)必ずしっぺ返しがある。

今回の原油高の主因はドル安。原油はドルで取引されることから、ドルの絶対価値が下がるともともと使用価値のある原油は上がることになる。論理的には説明のつく動きであるが、これに全員参加型のお金の動きがくっつくと”バブル”となる。”絶対に儲かる”との信念のもとに大衆のお金が入ってくることがバブルを形成、加速、そしていつか終焉となる。終焉はいつかわからないが、わけのわからない理由の元に原油価格が250ドルまで行くとか、それ以上の値段になるということがニュースになってくると終焉は近い。ただし、最後の1人まで買いにまわり、ほとんど買っていない人間がいなくなるときまでバブルというのは終わらない。

2008年6月20日金曜日

借金天国 その後。。。

昨年、このブログにて”借金天国”を紹介した。

その後どうなっているだろうか?アメリカはその借金天国が反転、ほとんどお金を借りるすべがなくなっているようだ。イギリスも同様。お金を貸すのは銀行の仕事。銀行が借金天国に踊り、好き勝手にお金を貸したことからその反動、しっぺ返しが起きている。実際には何が起きたかというと貸したお金が返ってこない。貸したお金は期日が来るといつもは再度貸し出しの手続きをしていたところが、今度はそれをする余裕がない。実際の経済への影響というのは計り知れない。

誰でもお金が借りれた時代から一転してほとんど借りることが出来ない状況。借りるとしても以前のような低金利ではなく、借入金利がかなり上がっている。たった1年でこれだけの変化が起きていることに驚きを覚える人もいるかもしれないが、逆になぜあれだけ借金天国の状況が続いたのか不思議である。