2009年2月16日月曜日

この先どうなるか

この先どうなるかに関しては現状の問題がいかに解決されるかによる。世界恐慌でもわかるが、いつかは必ず元に戻る。ただそれにどれだけ時間がかかるかによるだけ。

それでは今回の問題とは?

一にも二にも銀行。この社会的な位置づけとして信用の創造を行っている組織が1990年代前半から2007年までの長期景気拡大期においてあまりにも安易にお金を貸しすぎた(好循環期)。当ブログ”借金天国”参照。それら銀行がこの不況期にあたり今度は借金回収に回らざるを得ない状況にある(悪循環期)。安易にお金を貸したということは多くの借金が焦げ付いている。回収を進めてもないものは回収できないわけで、それが不良債権となる。焦げ付きがおきるとそれを自己資本で穴埋めしなければならないわけであるが、それをするとするほど自己資本が減少する。自己資本は貸し出しの原資となることから(自己資本比率が決められている)基本的にはこの自己資本が回復、増加しない限り更なる金貸しは出来ない。銀行が貸し出しをしないと自動車などを買えない人々が多く発生する。ここまでは簡単にわかると思う。それでは今回が前代未聞の状況であることの説明。

90年代のバブル経済後、日本の銀行が潰れるという不安が日本中を駆け巡った時期を覚えている人は多いと思う。その時期は日本の銀行同士でさえお互いを信用できず、普段は日々行っていた余剰資金の貸し借りでさえ出来なかった。ましてやその銀行が個人、企業に貸し出すことなどできようがない。海外はジャパンプレミアムといって日本の銀行だけ他国の銀行よりか多くの金利を貸されていた時期であった。さて、今回はこれが世界規模で世界中の銀行で起きた、というとどれだけ深刻な状況か理解がつくと思う。更に状況を悪くしたのはこれが同時期に起きたということ。

原因はわかったと思う。それではこれが解決すれば経済、みんなの生活は元に戻るはずである。ここでいう”元”に戻るいうのは2007年バブル天井時期の状況へ戻ると言うことを示すものではなく、一般的にいう”普通”という意味。銀行の貸付先はほとんどが不動産。ということは不動産の値段が下がっている最中は不良債権が減らない。日本のバブル期をみてもわかると思う。現時点では米銀行が毎四半期ごとに貸し出しの焦げ付きをいまだにWrite downしているのを見るとわかる。この不動産の下落が継続すると銀行は自己資金を使って下落分を補足しなければならない状況が続く。

今回の騒ぎはアメリカが発信元。まずはアメリカでの不動産価格(個人住宅、商業用不動産)の下落が止まることが必要。それには米国株式市場がいい目安となる。ここ最近は世界株安と円高の連動性が高いので円安も1つのいい目安となってくる。

0 件のコメント: