2007年3月14日水曜日

日経平均と円

日経平均と円がどんな関係があるのだろう?と不思議に思う人が多いと思います。

しかし、”投資”という視点からみると株式も外貨も同じ投資家からのもの。同じ投資家が1つの投資資産を売り、他の資産に乗り換えたりすると、売られた資産は下がり、買われた資産は上がり、というように自ずと密接な関係があります。これら投資家が外貨を買うときは、例えば円をドルに換えて米株式、米債券、米不動産を買うとき。特に過去10年のうちかなりの期間安値をさまよっていた日経平均が上がってくることは、資産の乗り換えなど資金の新たな動きを喚起します。

具体的に日経平均が上がってくるとどのような効果があるかというと、投資家の株式投資している資産の資産価値が上がります。この効果は”リスクアペタイト”が上がる、というように表現されます。アペタイトというのは”食欲”、つまり今までと違い食欲が出てくるということ。食欲が出てくると自ずと活動が活発となり、かつてと打って変わってりリスクに対して許容度が上がってきます。投資においてもっとリスクを取ろう、という姿勢が出てくると外貨資産への投資が始まります。外貨資産は同じ株式でも為替レートが絡む分だけ一般的にリスクが高い投資とみなされます。

したがって、日経平均の上げは外貨資産への投資という流れを加速。逆に、日経平均が下がってくると外貨資産からの逃避という流れを加速するともいえます。2007年2月から3月のポンド円の動きと日経平均の動きをみると、そのカラクリがよく出ています。日経平均が大きく下げた日は円高が大きく進み、日経平均が多少戻すと円安が進みという関係が浮き出ます。この関係が強いときと、比較的弱いときとありますが、円の行方を見るうえでは1つの指標となります。

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