2007年3月14日水曜日

主要通貨と為替売買の仕組み

主要通貨とは通常ポンド、ユーロ、円、豪ドル、カナダドル、スイスフランをさす。取引量が多いものをさすということになる。あまり為替になじみのない人は”米ドルは?”という質問がでるかもしれない。実は、この主要通貨というのは”対米ドル”で取引される通貨であり、米ドルはすべての主要通貨で取引されていることになる。

円を例にとって見よう。円は円単体では存在しない。他の通貨との相対的価値としてしか存在し得ない。それを取引するのが円の外国為替取引であり、最も取引量が多いのが対米ドルとうことになる。為替の世界では円の対ドル取引を

USD/JPY

という表示であらわす。前半、後半2つの通貨が別々に表示されているが、前半部分が取引通貨、後半部分がその取引によって生じる損益通貨ということになる。今回も円を例にとってみると売買は110円で1万ドル分、ドルを買い付けたとする。その後為替レートが100円になったとき、ドルを売ったとすると

110円 ドル買付け1万ドル 買い付けに使った円 110万円

100円 ドル売却1万ドル 売却で得られた円 100万円 

つまり、110万円が100万になった計算となり、ここでは-10万円と円の損益が生じる。すべての通貨の表示方法は 取引通貨/損益通貨 となるので覚えておくといい。
さて、先に所要通貨は対ドルで取引されているということをはなしたが、これには2方式ある。

1.円のように1ドル買うのに110円という取引方法と

2.ポンドのように1ポンド買うのに1.92米ドルという取引方法

1.2明らかに全く反対の方法。これは歴史的なものが背景となっている。かつてはポンドが世界の基軸通貨、ドルはその後の新興通貨として現在では基軸通貨となっている。ポンド全盛の時代が先にあり、したがって”ポンドを買うにはドルがいくら必要”というポンド主導型の取引方法から始まっているのである。これと同じ方法で取引されるのが豪ドル。これもイギリスの植民地としての発祥から。そしてユーロ。これは誕生間もないが、政治的な意味合いが強い。

余談となるが、ポンド、豪ドル、ユーロの表示方法は、例えばポンドが

GBP/USD

となり、取引通貨がポンド、損益通貨が米ドルとなり、円とは反対になることになる。

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