2007年3月14日水曜日

円キャリートレード

2007年2月末から3月にかけた短い期間に見せた突然の241円⇒221円(約10%下落)の動きは、この円キャリートレードの影響によるもの。

それでは円のキャリートレードとは何かを説明します。

円は金利が低いと同時に、簡単に”借りられる”通貨として短期的な値上がり益を狙う投資家のお好みの通貨。ただし、ここでは借入金であることに注目してください。いつか返す必要があります。為替取引という視点から見ると円を借りることは円売り。例えば、ポンドで考えるとポンドを円で売るとポンドが手に入り、円を借金した形になります。借入金利はほぼゼロ。一方、手に入ったポンドは5%以上。日がたつにつれてポンド金利は手に入る一方、借入金利はほとんど支払う必要ありません。この取引をさして 円キャリートレード とよんでいます。円安がずっと続いているとポンド金利のほかにポンドの値上がり益まで手元に入ってきます。それが1998年からのトレンド。

こんな簡単な投資手法があるなんて!

と思うかもしれません。ところが、この借入金をもとにした円キャリートレードは円高に動き出すと手元に入る金利どころか、元本われを簡単に起こします。それがリスクです。そのリスクを承知で短期の値上がり益を狙った為替売買をしているのです。円高になるとある時点で自分の円借入がブレークイーブンポイントに差し掛かります。ブレークイーブンポイントとは損得ゼロのポイント。それを越えると短期の値上がり益が値下がり損となることから、円高が進んでくるとポンド売り、円買い戻し(借入金返済)の動きが加速します。この円高が続けば続くほどその動きが加速します。ある種のパニックとなり、円キャリートレード組がみんな飛び降ります。それが今回の円ポンドの大きな動きの背景。

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